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深淵の儀式場 青属性 5(青3) ネクサス Lv1(0)Lv2(2) Lv1・Lv2『相手のメインステップ』相手のスピリット/アルティメットが召喚された時、自分のデッキの上から1枚をこのネクサスの下に置く。 Lv2お互いの[転召]を持たないスピリット/アルティメット/ブレイヴの召喚/煌臨時効果は発揮されず、自分の[転召]を持つスピリットは召喚時に相手の効果を受けない。 Lv2『自分のエンドステップ』このネクサスの下のカード3枚を破棄することで、手札から[転召]を持つスピリットカード1枚をコストを支払わずに召喚する。 シンボル 青 作者:白山羊 フレーバーテキスト 評価 名前 コメント
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#blognavi エントリー後、期間中に行動変更を求められることはない。 ぷーとら > 芝村さん、白いオーケストラはエントリー後は自動処理との話ですが、期間中に急に行動変更を求められたりすることはありますか? (2/25-00 19 25) 芝村 > ない>ぷーとら (2/25-00 20 17) 戦闘用義体を使用するため、キャラクタの設定欄は特に無い。 松井。 > RBに乗ることができる人間の身体能力は最低でどれくらいですか? 身長 120センチ以下はダメだとか、60歳超えるとダメだとか (2/25-01 04 51) 松井。 > エントリーするときに極端なキャラを作ってRBに乗れないなんてこともありますよね? (2/25-01 05 20) 芝村 > そう言う設定欄はないので大丈夫です>松井。 (2/25-01 05 58) 松井。 > 設定上はどうなんでしょう?乗ろうと思えば子供でも老人でも乗れるんですか? (2/25-01 06 37) 芝村 > どうせ、戦闘用義体は戦闘用義体なんで。 中身は同じです>松井。 (2/25-01 08 07) 今回の儀式魔術で出会えるキャラに制限はある。 那限逢真 > あ、そうだ。芝村さん。今回の儀式魔術で出会えるキャラに制限はありますか? (2/24-22 59 31) 芝村 > ええ。あります。>那限逢真 (2/24-23 02 10) 竹内君が小儀式魔術に「はやかぜ」に乗って登場することはない(2月段階で目が悪くなってるので)。 マスターK@仏具屋の息子 > 竹内君が小儀式魔術に「はやかぜ」に乗って登場したりしないか気が気でない今日この頃です(何 (2/25-00 22 42) 芝村 > 竹内は2月の段階で目が悪くなっているからそれはない>マスターK (2/25-00 25 06) 誰が戦闘に加わるかにライト板が反映されることはない(ライトユーザーをはめることはしない)。 heの37 > 誰が戦闘に加わるかってのも、ライト板反映なのかな・・?もしかして(汗。がるぅぅ (2/24-23 59 12) 芝村 > いいえ>heの37 私はライトユーザーをはめることはしません。 (2/25-00 01 28) ライトユーザの基準。 南部恭介 > どこら辺までがライトユーザーなんですか?芝村さんの基準では。 (2/25-00 04 13) 芝村 > キャラが死んでも仕方ないと思ってる奴。>南部 (2/25-00 04 40) 芝村 > やらなければいけないことがあって、そのために戦う奴はライトではない。そういうのは、本物とか挑戦者というんだよ。 (2/25-00 05 20) 芝村 > 心が折れれば傍観者だ。そういうもんだろ、ゲームなんて。コインいれればゲームを遊んでいる、そうでなければただ見てる、それだけの話だ。 (2/25-00 08 20) 芝村 > コインが時間とか努力に置き換わるだけの話だ。 (2/25-00 08 35) 挑戦者もライト板に参加して良い。 都 > 挑戦者ではありますが、ライト板にも参加して良いもんでしょうか?>芝村さん (2/25-00 10 02) 芝村 > ええ>都 (2/25-00 11 14) エースには人気がないといけない。 鷹月 > 健次さんが参加不可って何故なんですか?>芝村さん (2/25-00 13 53) 芝村 > サターンと同じ、エースというものには人気がなければならないが、不適切な発言が多く、その資格はないと判断した。 (2/25-00 15 57) 「エースチャレンジをまだしていない人」も戦力4倍になる。 伯牙 > 白いオーケストラの戦力についてなんですが、エースチャレンジ中の人は4倍となってますけど、これは「エースチャレンジをまだしていない人」も含まれますか? (2/24-23 20 04) 芝村 > そうですね>伯牙 (2/24-23 20 57) 小太刀さん・りょーさん・ニンジャさん・伯牙さんは4倍。 伯牙 > という事は、小太刀さん・りょーさん・ニンジャさんと自分は4倍で、それ以外の人は8倍または、20倍ということでいいですか?>芝村さん (2/24-23 21 57) 伯牙 > 是空さんと、Leiさんはエースチャレンジが決定されてるので省いてますです。 (2/24-23 22 24) 芝村 > ええ。>白牙 (2/24-23 24 49) カテゴリ [質疑応答] - trackback- 2006年03月09日 22 15 01 #blognavi
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ヤガミ復活作戦 2006/3/11開催。芝村さんが事前にオンラインセッションをやると宣言されたところ、希望者が多数にのぼったので想定を越えた大規模ゲームとなる。 経緯 儀式魔術/白いオーケストラにてヤガミの義体が爆発。チップはサーラにより確保。 セッションログ ヤガミ復活作戦:儀式魔術支援サイト(ウェブアーカイブ)まさひろ 第1分隊 都 第2分隊 都 第2分隊(2) 伯牙 第3分隊 クレール 第4分隊 ミサ 第5分隊 高渡 第6分隊 アズマ 第7分隊 りょー 第8分隊 十五夜 第9分隊 十五夜 第9分隊(2) ちゃき 第10分隊 質疑 ニュース/2006年03月10日/2006年03月09日の質疑応答(1) ニュース/2006年03月11日/2006年03月11日の質疑応答2-4 ヤガミ救出ゲームも発動: さくらつかさ@ > それで謎以外では、何か謎ハンター以外が参加できることはないのでしょうか? (3/11-14 38 26) 芝村 > ある。ヤガミに体を与えるミッションが今朝エース達に告知された。 (3/11-14 39 36) 芝村 > その介添え人は一般ユーザーから選ばれる予定だ。>さくらつかさ (3/11-14 40 43) porepole > ヤガミ、復活するんですか。 (3/11-14 40 51) 芝村 > 加護だけはあったからなあ。>porepole まあ、さすがの俺も自分の作ったゲームシステムは裏切れない。 (3/11-14 42 01) とよたろう@乱入組? > 介添え…そうか、エースの介添え人になら一般ユーザーでもなれるのですね>芝村さん (3/11-14 41 56) 芝村 > うん。本来エース資格あるんだけど介添え人ばっかやってるどこかのおっさんもおるけどな。 (3/11-14 42 35) さくらつかさ@ > ただの人から出てくるのですよね<介添え (3/11-14 42 45) 芝村 > どんなものもそうだ>さくらつかさ どんなものも、最初はただの人間だ。 (3/11-14 43 50) 芝村 > だがそれでは駄目だと心が思うから、人は竜にもなるんだよ。 (3/11-14 44 10) 参加するゲームは多い: さくらつかさ@ > それでも参加できる人は少ないのですよね。 (3/11-14 43 43) 芝村 > いや、参加するゲームは実は多いよ>さくらつかさ (3/11-14 44 48) 芝村 > 今回は結構大きな負け戦だったし、エースもかなり出払っている。エースが足りないなら実力不足でもそれに近い人を動員して戦うことになる。 (3/11-14 46 32) 介添人になる方法: アズマ > 介添え人にはどうすればなれますか? (3/11-14 45 49) 芝村 > 運だ>アズマ (3/11-14 47 09) 芝村 > もちろん。運を減らす方法もある>アズマ (3/11-14 48 29) 芝村 > 芝村系ゲームで運という言葉が出たら、それは要するに努力を要するの意味だ。 (3/11-14 50 04) 芝村 > あるタイミングのどこかに告知を出す。>アズマ ほら、運だろ? (3/11-14 52 30) アズマ > 今回の大絢爛のエントリーも運といえば運ですが、事前にちゃんと情報入手して、エントリー作って時間はかってた人がエントリーできているのと一緒ですね (3/11-14 53 13) 芝村 > そうだ>アズマ だが一般的には運だね (3/11-14 54 02) 介入は本職がやる: 十五夜@確定申告 > ヤガミは今閉鎖世界にいるはず…そもそもどうやって介入するんだろ (3/11-14 52 16) 芝村 > そっちは本職がやる>十五夜 閉鎖世界にある誰かを助けるためのミッションは今回がはじめてではないし、これが最後でもないだろう。 (3/11-14 53 34) 戻る→儀式魔術
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数分後、ブリッジに戻った副官により「過労の兆候が見える艦長を休養させるため」停泊及び擬装形態にて艦を隠蔽せよとの指令を受けたカテドラル・テラは久方ぶりに、戦火に艦体を洗われぬ一日を送ることとなった。 「……あ、あの……」 シーツを換え、綺麗にベッドメイキングされた寝台の隅に所在なげに腰掛けているシモンは逡巡の末、勇気を振り絞る思いで今は唯一、同じ室内にいる自分以外の人物に話しかけた。 「どうした、何か必要なものが……そうか、そういえばまだ食事をしていないな。今持ってこよう」 穏やかな声音で応じたその女性は意外なほどきびきびとした動きで続きの部屋へ姿を消し、ほんの数分もしない内にまた戻ってきた。手にしたトレイに乗っていたのはどれも見たことのない食べ物だったが、食欲をそそる匂いに、今まで驚きの連続ですっかりと忘れていた空腹はきゅうと音を鳴らして歓迎する。 それとほぼ同時に、壁の一部が細く切れ込んだかと思うと薄い板のようなものがそこから飛び出してきて、するすると何の支えも無しに宙を滑り、ちょうど胸のすぐ下あたりの位置まで来るとぴたりと止まった。その上に微かな音を立ててトレイが置かれれば、料理から立ちのぼった湯気がふわりと頬をくすぐる。 「あ、おいしい……!」 何だかよく解らないことだらけながらも、未知の料理を一匙口に運んだシモンは思わず弾んだ声を上げた。 ジーハ村での食事と言えばブタモグラの肉以外に食材は無く、それが焼いてあるか煮てあるか、あるいは干してあるかくらいの差しかなかったが、目の前のトレイに盛りつけられた食事は色も形も、材料も調理法も見当が付けられないものながらもどれも何故か不思議と舌に快い。 「口に合って、良かった」 食事を持ってきてくれた女性は、妙にほっとしたような顔でベッドの傍らに立っている。 その不思議な色合いの眼が自分の一挙手をつぶさに見つめていることに気付いたシモンはどこか座りの悪い心地になって、ふと料理を口に運ぶ手を止めた。 「えっと、あなたは……食べないんですか?」 「私はいいんだ」 あっさりと即答され、それ以上の会話が繋がらない。 元より、十四年ほどの人生において母親以外の女性と差し向かいで話す機会などついぞ無かったし、両親を亡くしてから後はむしろ女の人というのは努めて避けて通りたい存在ですらあったのに。 大人になった自分はこんな綺麗な人と四六時中一緒に過ごしていて、気詰まりだったり緊張したりはしないのだろうか。いや、よく考えれば先程目を覚ましたとき、同じ寝台で──しかも裸で一緒に眠っていたということはつまり── 「あ、ああ、あの…っ! その……あ、あなたの……な、名前………」 突然、何か意気込んだ様子で口を開いたかと思うやあっという間に尻窄みに不明瞭となった少年の声に、一瞬面食らったように目を瞬いた女性もすぐに柔らかい表情に戻る。 「私の名はヴィラルだ。言葉遣いもかしこまる必要はない、この部屋の主はシモン、お前なのだから」 「う、うん……ヴィラル、えっと……」 声は掛けたがこの先をどう質問していいものか、主観の上では妙齢の女性と接する経験が皆無に等しいシモンには非常に荷が重かった。 あなたと自分は夫婦とか恋人とかそういった間柄か? などと、どんな顔をして質問すればいいというのか。 しかもそんな事を訊いて「全く違う」と返されでもした場合には居たたまれないどころの話ではない。 結局、うんうんと呻りながらの懊悩の果てに口に出来た問いはひどく抽象的なものとならざるを得なかった。 「……ヴィラルは…俺の、何……なの?」 一瞬、薄く口を開いたぽかんとした表情で──唇の間に覗くぎざぎざと鋭く尖った歯列が先程から大変に気になる──問われた言葉を受け止め、どうやら頭の中でその意味を咀嚼しているらしいヴィラルは淡い金色の瞳でじっとシモンを見つめる。唇が小さく動いて「何……」と繰り返す声が微かに耳に届いた。 「……私は……そうだな、この部屋の家具のようなものと思ってくれて構わない」 「家具!?」 とりあえず想定していたあらゆる可能性のどれとも、全く方向性の違う返答にシモンは思わず素っ頓狂な声を上げる。 家具って。 「そんな、物……みたいに人を思うのは、ちょっと………」 困惑しきって歯切れの悪い反応に、ヴィラルは黙って静かな笑みを返すだけだった。 >>> 『こんな時間にすまない、少し困ったことが……』 カテドラル・テラがが停泊中であってもするべき仕事はそれなりに山積している副官が、夜も更ける時間帯にようやくの遅い夕食を摂った後、自室への通路を歩いているところで通信端末がその日最後の仕事を運んできた。 「どうかなさいましたか」 艦長のプライベートルームの寝室では、昨夜までは艦長だったはずの少年と獣人の女が深刻な顔をして向かい合っている。 「あの、ヴィラルが……」 「私がいつも通りの場所で寝ると言ったらシモンが怒るんだ。かといって、ならリビングで寝ると言っても怒るし」 考え得る限りの好ましからざる事態を予想していたところに想定外の、わりとどうでもいい部類の一悶着の裁定を委ねられたのだということを悟って、副官は内心で大きな溜め息をついた。 「だ、だって、そこ……床じゃないか!」 信じられない、という表情で少年のシモンが指す先には、確かに普段ヴィラルが寝起きに用いているスペース──部屋の一隅に、古びたクッションと毛布をお義理程度に敷いてはあるが有り体に言えば確かにただの床──がある。 かつての因縁ある虜囚を犬と蔑んで跪かせ、その尊厳を著しく貶めるという過去への復讐を、あまり良い趣味ではないとは思いながらもそれで彼の心の平衡が多少は保たれるのならと看過したことがこんな所で仇になるとは、などと後悔するにしても今更な事情を頭の中だけに押し込めつつ、副官は軽く眉間を押さえた。 「まあ、このような習慣ができているのには色々と経緯があるのですが、確かに今のあなたにとっては関係のない事ですから驚かれるのも無理はありませんね。とりあえずは、こちらをお使いになるのがよろしいかと」 言いながら、ドア脇の壁面パネルを手早く操作する。それに従い、通常の寝台が置かれているのとは反対側の壁の下部が大きく開いて一台のゲストベッドが姿を現した。 「永らく使われていませんから一度シーツを交換した方がいいでしょう。上掛けの予備は……ああ、ありますか。それでは、もう遅いですから私も失礼致します」 おやすみなさい、と久々に聞くような挨拶を残して部屋を辞す副官の後ろ姿を見送ったシモンは、次いで黙々とゲストベッドのシーツを整えているヴィラルへ目をやった。 ぴしりと僅かの皺もなく綺麗にメイキングされたシーツの上に、クロゼットから取り出された予備の上掛けシーツと、枕の替わりに床から拾い上げられたクッションが二つほど置かれる。 今の人は「色々な経緯」と言ったが、いったいどんな経緯があれば一緒に暮らしている女の人が床で寝ることになったり、自分のことを家具と称したりするようになるのだろうか。それらは全て、大人になった自分がそうさせている事なのだろうか。 こんな空気の中で普通に会話を交わすには些か気まずく、もそもそとベッドに潜り込み目を閉じてはみたものの、頭の中に渦巻く疑問や不安は、眠りへの安易な逃避をなかなか許してくれそうにない。 それでも必死に目を瞑って頭の上まで引き上げたシーツの外で、ヴィラルが小さなフットランプだけを残して部屋の灯りを落とした。 >>> >>> 閉じている瞼の外が、やけに明るい。 ああ、もう「朝」が来たんだっけ。 でも「太陽」の光とはどこか違う。あれはもっと、目を閉じていてもすごく眩しくて、しかも光が直接肌に突き刺さるかと思うくらいに強い温度を持っているはずだ。 今、瞼の外を照らしている光は同じくらいの明るさだけれど太陽ほどにはぎらぎらしていなく、刺激的でもない。 そう、村にあったのと同じ「電気」の光だ。もちろん、あの何倍も明るくて強いやつ。 「宇宙」には地上のような朝や夜がないから、地下の村と同じように電気を使って寝起きの時間を分けているのだと、昨日リーロンから訊いたばかりだ――そうか、あの人、ロンさんだ―― 眠りの内に脳裏へ継ぎ足された記憶と、実際に体験した昨日の記憶が二重映しになって頭をひどく混乱させる。 「思い出した」記憶によれば自分は、自分たちは昨日、ほんの昨日、ラガンに乗って地下の村から地上へ出てきたばかりなのだ。 初めての地上、空、太陽と月、満天の星。ガンメンと獣人。ヨーコとリットナーの人たち──そしてカミナ。 だけど、本当の昨日、目を覚ましたときに教えられた。今はもう、あの初めて地上に出た日からかなり長い年月が経っているのだと。その間によくは解らないが色んな事があって、現在はカミナやヨーコと一緒ではなく、リーロン以外は見知らぬ人たちと共に宇宙──あの、星という沢山の光の中を旅しているのだと。 自分の知らない長い時間の中で、何がどうなってそんな事になったのだろう。 リーロンは「カミナは遠いところにいる」と言ったけれど、どれくらい遠い場所なのか見当も付かない。 遠くって、ラガンで飛んで行っても届かないほどの遠くだろうか? あの、地下の村から飛び出した時に見えた大地の果てより更に遠く? たったの昨日、いや本当は昨日じゃないけれど、初めて声に出して「兄貴」と呼び、魂の兄弟二人でなら何でも出来るしどこまでも行けると語り合ったばかりだったのに。 大人になったら、もう、二人一緒にいないなんて。 夢とも現ともつかない微睡の中へ、誰かが自分を呼ぶ声が聞こえたような気がしてシモンはぼんやりと薄目を開いた。 靄が掛かったような視界に、自分を覗き込んでいる人影がおぼろげに映る。 「……あ…にき……?」 舌のもつれたような声で呼んでしまってからはっと我に返り、大きく目を見開いた。 ちょうど正面から顔を見合わせる形でやはり驚いたような顔をしているヴィラルの姿が目に入る。 「あ…あの、ごめん………ちょっと、寝ぼけてて…」 気恥ずかしさに慌てて視線を外し、起き上がって寝台から脚を下ろす。 晒し布を巻き直した足を靴に突っ込みながらそっと室内の様子を窺えば、ヴィラルはもう自分用の寝台を再び壁に収めてしまったようだった。俯いた視界の隅を、白いブーツに包まれた足が横切って行き続きの部屋へと姿が消える。 「そういえばさ、ヴィラル」 今日はダイニングの卓に並べられている朝食を口に運びながら、シモンはふと胸に浮かんだ疑問を尋ねてみた。 「ヴィラルは、兄貴……カミナと会ったことがある?」 やはり昨日と同じく自分の食事を摂っている様子のないヴィラルが、急な質問に驚いた様子で、何故か奇妙に硬い、のろのろとした動作で首を縦に振る。 「それっていつ頃のこと?」 「昔、お前がまだ子供だった……今の姿とそれほど変わらない頃に、何度か」 「そうなんだ!? 俺と兄貴がラガンで地上に出てから、どれくらいなんだろう……あ、ヨーコには会ったことがある? ロンさんと同じリットナー村の出身で、赤い髪の綺麗な人なんだけど」 彼女は無言でもう一度頷いたが、その表情はどういうわけかひどく強張っていた。 何かあったのかと重ねて問おうとしたところで、急に大きな音を立てて椅子が引かれ、ヴィラルが席を立つ。 「いや、そのまま食事を続けていてくれ。じきにリーロンも来るだろうし……私は急ぎの用事を思い出したから、少し出掛けてくる」 >>> 直後に、入れ替わるよう姿を現したリーロンはまたもや妖しい手つきでシモンの身体データをあれこれ計測し、手にした見覚えのある機械に何事かを打ち込みながら自然な口調で会話を続けた。 「そう、じゃあカミナと二人で敵のガンメンを乗っ取ったところまでは思い出したのね?」 「…あの、ロンさん」 「ロンでいーわよぅ。今更改まらなくたって、私とあなたの仲じゃないの」 思い出しはしたが、やはり慣れないと強烈に感じるリーロンの物腰にたじたじとなった様子で、シモンは言いにくそうに言葉の先を口にする。 「昨日……ぁ、その、本当の昨日、兄貴は遠くにいるって聞いたけど……ヨーコも? ヨーコは兄貴と一緒に行ったの?」 まるっきりの興味というよりは、どこか不安げな──知りたいが答えを聞きたくないとでも言うような気配を漂わせながら、シモンは躊躇い混じりに問うた。 その上目がちの黒い瞳に揺れている感情に、きっと本人は気付いていないだろう。 あの時だって──彼は結局、最後の最後まで気付くことが出来なかった── 「……ヨーコは、やっぱり遠いところには違いないけど、カミナとは別の所にいるわ。でも、だからといって別に、あんたたちのうち誰かが仲違いやケンカ別れをしたってわけじゃあないの。全てはタイミングと……その時々での選択の結果なのよ」 普段通りの超然とした物腰に、哀切も悔恨も全て隠しきって性別不祥のメカニックは少年を煙に巻いた。 シモンは「そう…」と口の中で答えたきり、これ以上何を話して良いか解らない、といった表情で床と自分の爪先あたりを眺めている。 ここで悲しそうな顔をするのも、嬉しそうな顔をするのも、おそらくどちらも選べないのに違いない。 かつて、地下からやって来た二人の少年と、幼い時分から見守ってきた少女との間に形成された、幼くて脆くて、可愛らしかったけれど危ういバランスで保たれていた関係をリーロンは思った。 誰が悪かったわけでもない、ただ、ほんの少しだけ行き違ってしまったそれが三人の上にもたらした、大きく取り返しのつかない悲劇の思い出を。 「ハイ、今日の検診はここでお終いよ。何か調子のおかしい所や気に掛かることがあれば、いつでも端末で教えてちょうだいね」 そう言われ、シモンは上着のポケットに収まった小さな機械を引っ張り出してみる。 先程、この部屋に来たときリーロンが渡してくれたシモン用の通信端末には、まだ字の読めない少年にも必要な通話が出来るよう、短縮ID表示の上にリーロン手ずから妙に可愛いシールを貼ってくれていた。 リーロンへの番号には紫色のハートマーク、副官へは何故かピンクの星。そしてヴィラルの──正確には今はヴィラルが持っている本来のシモンの端末──ところへは水色の……シモンには何だか正体が解らないが動物らしきマーク。 「そうそう、さっきヴィラルが許可を取りに行ったから、あとで面白いところに連れて行ってもらえるかもしれないわよ」 「面白い…ところ……?」 首を傾げたシモンの手の中で、不意に端末が小さなコール音を鳴らす。 その操作盤の中で、水色の仔犬のシールが貼られたIDがちかちかと瞬いていた。 >>> 「いいと言うまで手を繋いで離さないように」と注意され、言われるままヴィラルの大きな手を握って一歩踏み出した途端、淡い碧の光に包まれたかと思うと室内の景色が掻き消すように消え失せた。 「…あ!? えぇ!?」 わたわたと辺りを見渡し、とりあえずヴィラルが隣でしっかり手を握ってくれていることに僅かながら安堵し、もう一度周囲の様子を見ようと顔を上げた瞬間、眩い光と鮮やかな色彩がシモンの眼を刺す。 「ぅわ…ぁ、って……えぇ───っ!?」 いつの間にか、二人は緑の丘の頂に立っていた。 足元にはうっすらと光っている丸い板のようなものがあるが、それ以外は果てしなく拡がる自然の景色ばかりが視界に映る。 清涼な空気が微風となって吹き抜ける先の空は青く、高く、天頂には直視できないほど強い光を放つ太陽。 丘の上から麓にかけては丈の短い緑の植物──「草」だとヴィラルが教えてくれた──に隈無く覆われ、少し離れたところには丈の高い頑丈そうな植物が群れるように生えて濃い日陰を作っている。更にその向こうにはきらきらと光を反射する大きな水場があり、そこに集まる動物の影までがはっきりと見えた。 「わぁ……あれ、何だろ……?」 「あれは湖だ。近くまで行ってみるか?」 初めて見るものばかりの景色に眼を輝かせている少年を柔らかい表情で見下ろし、ヴィラルが草の海へ足を踏み入れる。 繋いだままの手に引かれるようシモンも歩き出し、土や岩場とはまた違う足元の感触に驚いたり周囲を忙しなく見渡したりしながらも湖へと丘を下った。 「ここ、やっぱり地上なの?」 湖畔に幾つか設置されていたベンチに腰掛け、心地よい風にたゆたう水面や、草むらから飛び立つ鳥などにひとしきり目を奪われた後でシモンはヴィラルを見上げ、訊ねる。 「いや、ここも宇宙で──おまえの艦の中だ。とても大きな家の中を、沢山の部屋に区切ってあると考えてくれ。その部屋のうちの幾つかにこうして地上の自然環境や生態系を再現した場所があって、乗組員たちが心身を休めたり、食糧を作ったりするために使っている。周りの植物や動物は本物だが、空や、一番遠くの景色は映像だ」 「そうなんだ……」 映像、というのは要するにリーロンの機械が映し出すような、鮮明で動いたりもするけれど触れる実体のない絵のようなもの、という事なのだろう。 あの空も、雲も、太陽も。 自分の理解の範疇をだいぶはみ出した事実に、シモンはそれ以上の言葉を継げずにただ目の前の風景を眺めやった。 あの地下の世界から飛び出して、どこまでも果てしないと思えた大地や空の拡がる地上から今はまた更に遠くへと来ているらしいのに、わざわざ地上によく似た場所を作って部屋にしまっておくなんて、大人になった自分のしている事はよく解らない。 兄貴がこういうのを見たら何て言うだろう。「なんだよ、地上かと思ったらまた天井じゃねえか!」とか文句を言ったりするだろうか? それとも、自分と同じように大人になって、遠いどこかでやはり別の天井を見ているのかもしれない。 「兄貴……」 ぽつりと呟いてしまった言葉に、隣でヴィラルがはっと顔を上げる気配がした。 そういえば、朝にカミナのことを聞いたときにも何だか様子が変だった。ヴィラルはカミナのことを、もしかしたらあまり良く思ってはいなかったりするのだろうか。 「あ、その……ヴィラルは、兄貴に会ったことがあるって言ってたけど……」 「……ああ」 「ヴィラルから見て、兄貴ってどんな人だった?」 質問を受けて考え込む表情には、朝に見た時とは少し違い、どことなく懐かしむような様子がある。 金色の眼が遠くを見やって焦点をぼやかし、口元には微かな笑みが乗った。 「正直なところを言うと、初めてカミナと出会った時、私はとても驚いたし、腹も立った。その頃の私から見たあの男はとてもでたらめで、常識知らずで、失礼で……」 急にすらすらと話し出したヴィラルの表情に、シモンはこっそりとカミナが彼女と初めて相対した時の様子を想像してみる。 カミナのことだから、きっとヨーコと初めて会った時のような調子で色々と怒らせるようなことを言ったりやったりしたのに違いない。ヴィラルは真面目な性格だから、彼が相手ではおそらく普段のペースを崩されて振り回され通しだっただろう。 「……だが、今にして思えば……そうだな、とても面白い男だった」 そう締めくくって、小さく笑ったヴィラルの髪をゆるい風が揺らしていく。 先程と少し角度を変えた、偽の太陽の光が淡い金色の髪と眼にちかちかと反射して眩しくて、しかしそれだけではない理由からシモンは視線を伏せた。 湖の方で、魚か何かの跳ねる音が聞こえた。 >>> 「──では、今のシモンは夜眠るたびに昔の事を思い出していく、というわけですか」 科学班長、という簡素な肩書きの中に研究・開発部主任にして艦内システム管理者そして整備・工場部特別顧問だの艦医補佐だのと多岐に渡る役職を内包しているリーロンの私室へ、今は半ば公的、半ば私的な用件で訪れていた副官はその容易に歓迎しかねる報告内容に眉を顰めた。 「そ、聞きだした限りは昨日目を覚ました時点から約十二日ちょっと……地下の村での日数カウントは曖昧だから正確な時間は計れないけど、とりあえずシモン本人の体感で言えばそれくらいの記憶が一気に追加されたようよ。困っちゃうわね」 口調は軽いが、リーロンの表情はいつになく気重そうに見える。 実際、困るどころの話ではないと副官も溜め息をついた。 たかが十日と少し、しかしその僅かな間に外の世界のことなど何も知らなかった少年はコアドリルやラガンを掘り当て、地上から落ちてきたガンメンに遭遇し、兄貴分のカミナや騒ぎの中で出会ったヨーコと共に地中から飛び出して隣村のリットナーを訪れるまでにその運命を急転させていたのだ。 「ずっと現状のまま、というのは論外ですが、しかしこう寸刻みに時間を進められるというのも非常に問題ですね。そもそも、今日そこまでの記憶を取り戻したのなら明日にはまず間違いなく、ヴィラルとのことも思い出してしまう筈です。よしんば、それを何とか納得させられたとしても、いずれはあの時のことを──」 明日も、明後日も、この調子で眠る間にシモンの失われた時間が圧縮されて与えられ直すのだとしたら。 地上に出てからほんの二、三ヶ月で激しく転変することとなった運命を追体験させられるのだとしたら。 「きっと大変なことになるでしょうね」 「……大変、どころでは済まないと思いますよ」 残り数日で、彼は再び知ることになるだろう。 身の内に渦巻く膨大な力を以てして、この世界全てを道連れに破滅へと突き進む、その契機となる絶望を。
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478 :弟のご主人さま・7:2008/12/15(月) 20 30 25 ID 9XYmojxD 【 7-1 】 弟の咽喉が小さく上下した。俺の精液を飲み込んだのだ。 しかしながら粘性の強いそれを一度で飲み下すことは叶わず、結果のどの途中で引っ掛からせて激しくむせ込む。 「大丈夫か? 無理に飲まなくてもいいぞ。もう充分によくやったよ」 そんな弟の背をさすってやりながら、改めて素の状態に戻った俺は自分のしたことへの後悔を感じ始める。 今の俺という存在、欲望の赴くままに弟を蹂躙する酷い兄であるのだろう。――しかし、この弟を前にしては狂わずには いられないのだ。今ではそれほどまでにコイツを強く愛していた。 「けほ、けほ……はぁ~」 ひとしきり咳きこむと、弟も大きく息をつく。 「……気持ち良かった、アニキ?」 「おう、良かったよ。あんなに気持ちいいのも久しぶりだった。上手いな、お前は」 「ホント? へへへ~♪」 そして改めて訊ねてくるその言葉に、俺も甘えてくる弟を抱きよせて戯れる。 しばしそうして過した後、胸の中の弟は再び俺を見上げながら、 「で、これで終わりなの?」 そんなことを訊ねた。 「『終わり』って、どういう意味だ?」 「だからぁ……セックスって『これで終わりなの?』って意味。ビデオのねーちゃんはさ、なんか股の所にチンコ入れてたじゃん。 それって俺達じゃ出来ないのかなって」 弟の言わんとしていることを理解して俺も頷く。 「まぁ、本当はそれが『本番(セックス)』だからな。だけど、無理するなよ。お前にゃマンコねぇし、もうこれだけでもいいだろ」 そう諭し、再び俺は強く弟を抱きしめる。 射精後ということもあってか、今の俺はこれ以上になく満足でそして幸せな状態にあった。確かに『挿入』までを済ませてこそ セックスではあるのだろうが、今も言った通り『男』で『子ども』の弟にそこまで求めてしまうのは、いくらなんでも酷である。 「とりあえず今日はこれくらいでいいんじゃないか? 充分、満足させてもらったぞメイドさん」 そして、もうすっかり事の終わりを一人決めたその時であった。 「あのさ……アニキのチンコ、俺のケツの中に入れられないかなぁ?」 ぼそりと――呟くように弟はそんなことを言った。 「えぇ?」 その思わぬ言葉に腕の中を見下ろす俺へ、それを見上げる弟もどこかはにかんだ様子でイタズラっぽい笑顔を返す。 「さっきのねーちゃんの穴も、俺のケツの穴も同んなじ『穴』だろ? だったら、そういうことも出来るんじゃないかなーって 思ったんだよね」 ナイスアイデアだろ――と微笑む弟を前に俺は言葉を失う。 胸中にはそんな弟の申し出に驚くと当時に、それを敢行してみたいと思う二つの思いがあった。今日の俺は、多重人格かと疑いたく なるほどにそんな『二面』の中で行き来している。 弟を大切に想いつつもしかし、その反面ではどうしようもなく傷つけて汚してしまいたいと思っている。そんな慈悲と残虐さとを 人の皮の下に隠し持った今日の俺は、まさに『ジキルとハイド』そのものだった。 その証拠に今も、弟に無理はさせられぬと思いやる『頭』とは裏腹に――その『陰茎(からだ)』は、コイツの幼いアナルを引き裂き たくてこれ以上に無いほど怒張しているのだから。 「ん~、だがなぁ……ッ」 斯様な天使(ジキル)と悪魔(ハイド)とのせめぎ合いが弟を抱きしめる俺の中で葛藤する。 しかしそんな天使は、いとも簡単に俺から放逐されてしまうことになる。 「大きさを気にしてるなら大丈夫だよ、アニキ。ほら、このせーしのヌルヌルをもっとつければイケそうだよ」 ふいに俺の前に立ち上がったか思うと――弟は俺の両肩に手をつき、突き出すようにした自分の尻を俺のいきり立った亀頭の上へと乗せた。 あの柔らかいアナルの柔肉が、ふわりと俺の亀頭の上に降りてその先端を包み込む。 その感触と―― 「ね♪ いけるって」 そしてイタズラっぽく微笑みかけてくる弟の仕草に――俺は今日何度目かの『臨界突破(プッツン)』を再び迎えた。 479 :弟のご主人さま・7:2008/12/15(月) 20 32 58 ID 9XYmojxD 【 7-2 】 思えば、俺の中の悪魔に天使が勝てようはずも無い……なんせ今日の悪魔には、この弟という『子悪魔』がついているのだから。 「そこまで誘うっていうのなら――やってやるさ! もう泣いたってしら ねーぞ?」 「うん、いいよー♪ ……でも、優しくしてね」 再び弟を押し倒し、俺はその脇に両手をついて奴の上となる。そこから見下ろしてくる俺に、弟も瞳を閉じて小鳥のように閉じた唇を 突き出した。そしてそれに誘われるままに口付けを交わすと、俺は寝そべる弟と平行になるよう体を開き、その腰元へと右手を伸ばす。 かっぽう着の裾をめくると、そこには皮かむりの先端に腺液の珠を溜めた弟の茎が露となった。その様に発奮すると次の瞬間には自分 でも無意識のうちに、俺は弟の茎それをくわえ込んでいた。 「――ひッ? んあぁ! 食べちゃダメぇ!」 思わぬ俺の行動に弟は大きく腰を突き上げる。しかしながら、その行動の意外性に驚いているのは俺とて然りなのだ。――よもや、 同性の性器それを口に咥える瞬間が訪れてしまうとは。 しかしながら、複雑ではあるその心中に嫌悪感はまったく沸いてこなかった。それどころか……こともあろうに俺は、コイツの精液を 味わってみたいとすら思っている。 先に弟がこの奉仕(フェラチオ)をしたいと申し出した時には『なんともませたガキだ』と思ったものだが、今になるとその気持ちも 判るような気がした。 そうなると、俺の意識はどのように弟を射精へと導くかに集中する。 そんな時に思い出したのは―― 「え、えぇッ? うそッ! ケツもいっしょなのッ?」 先に弟の前立腺を責めた時の、あの指の動きであった。 右手の人差し指で奴のアナルを探るとしばしその淵を弄び、そしてそこから難無くその第二関節あたりまでを一気に滑り込ませる。今までの 行為で様々な体液にまみれていた弟のアナルは、周囲のそれらが潤滑油となって、実に素直に俺を迎え入れた。 そうして徐々に指を進め、その根元までを押し込むと再び――俺はその内部で指先を泳がせて、奴の前立腺を探す。 「ん、んう……ッ、あぁ……気持ちいいよ……いいよぉ、アニキ」 しばし指先で直腸の中探っていると、やがてはそこに触り覚えのある感触を探し出した。 ――コイツか……! そして指先を曲げ、その先端でしこりそこを刺激すると、 「んぅッ! ひ、ひぐぅ! ま、またそこぉ!」 弟は大きく体を跳ね上がらせ、あの時と同じ反応を見せたのであった。 これさえ探り出せてしまえば、もうこっちのものだ。あとは奴をイカせるべく、俺は出し入れする指の動きを徐々に激しくさせた。 「ん、ん……あぁ、あ、あぅ……ッ」 俺の責めに何度も横たえる顔を左右させて悶える弟。さらには咥えている茎にもまた、先の弟の奉仕をなぞり、何度も口唇によるスロトークを 加えていく。 「あ……あぁ、あぁッ、アニキぃ! もっとぉ」 もはや弟自身、自分の体にどのような変化が起こっているものやら判らなくなっている。否、それどころか体全身を包み込むこの快楽ですらが、 もはや『快感』かどうかすら判らなくなっているのかもしれない。 いまや弟の感覚は、そんな苦痛と快楽の綱の上で激しく左右している状態だ。あと一押ししてやれるならば、たちどころにその意識は快楽へ 落ちて、二度目の射精を迎えるはずである。 ――はずであるのだが。 「あぅ、あうぅ……くぅんッ!」 あと一歩とまで迫りながらも、そこから弟はしぶとかった。 すでに意識は絶頂へと集中している。しかし最後の一押しを前に、なかなか弟はイケない。 ――なぜイカないんだ? さっきだったらもう終わってるはずなんだが……。 直腸越しに刺激していた前立腺を、今まで以上に強く突き上げてみる。 「あッ……ん、んぅー!」 反応こそすれどやはりオルガスムスには一歩足りない。そしてその時になって俺も気づく。 ――そうか、順応してるのか。 そう。今の弟の体は度重なる快感の連続とそして初精を経て、性に対する快楽への『耐性』が出来ているのだ。すでに体が順応している。 それゆえに、一度体験した刺激ではイキづらくなっているというわけであった。 ――更なる刺激を与えるしかないか。しかしどうやって? 弟の茎を依然咥えつづけたまま考えたその時である。 ――順応してるってんなら、もう少しムチャしても大丈夫ってことだよな。 そんなことに俺は気づく。発想がいよいよ悪魔じみてきた。 480 :弟のご主人さま・7:2008/12/15(月) 20 34 38 ID 9XYmojxD 【 7-3 】 同じ刺激を続けるのではなく、それをさらに激化させてしまう――我ながら、人でなしな考えではある。 しかしここまで来たのならいっそ、『壊れてしまえ』と俺は思う。 もう俺だけの『弟』だ。ならば、俺だけに愛されていればそれでいい。 再び俺の中のハイドがその顔を覗かせた。 一旦、直腸に潜らせていた人差し指を引き抜くと―― 「あ、んぅ……やめちゃヤダぁ……」 俺は湯気立つ人差し指に唾液を絡め、そこへさらに中指も加える。そうして二本になってさらに太さを増したそれを、 「やめるかよ。もっと――もっと良くしてやるって」 再び肛門の淵へと宛がい、次の瞬間―― 「ンッ? んぎいぃぃ!」 遠慮なしに俺は、一気にそれを根元までねじ込んだ。 今までの倍以上となった二本指の衝撃に、ただ弟は陸の魚のよう開いた口元を上下させては大きく体をのけぞらせる。 そんな様子を一瞥すると、俺は再び奴の茎をくわえ込む。先ほど以上に怒張して腺液を溢れさせたその様子に俺はこの愛撫に効果があることを確信する。 そうして動かすことすら難しいほど締め付けてくるそのアナルの中、俺は人差し指同様に――否、それ以上の動きを以って弟の前立腺を刺激し始めた。 「んおッ、ごッ、おんんッ」 明らかに先ほどまでとは違った声を上げる弟。苦しげながらも、激しく脈打ちつづける茎からは、もはや射精と変わらぬ勢いで腺液が溢れ出して 俺の口中を満たす。 快感に順応しているがゆえ、その体もまたこれら刺激に対して強くなっているのだろう。 小学生(こども)には到底無茶だと思われるその行為にあっても弟はそれを耐え――それどころかその苦しみの中に新たな快感を探り出す感覚を、 すでに自分の中に見出しているのだから。 そうして数度目のストロークでその時は来た。 「お、おおぉ! あ、アニキ……だ、ダメ……ッ、もう、いっちゃうぅ……」 息絶え絶えにそれを告げ、俺の頭を両手でワシ掴んでくる弟――そして止めの一撃になるだろう最後のそれを突き上げた瞬間、 「あーッ! あーッ! ッッ……あぁ――――ッ!」 舌の上にどろりと熱い何かが込みあがったと同時、それに次いで吹きあがった飛沫が咽喉を打つほどに強い勢いを以て俺の口中に熱を広げた。 「あ、あうぅ……んんッ……」 無尽蔵にそれは茎の先端から溢れて口中を満たしていく。 そうして二度三度と、激しく茎を脈打たせて射精を果たすと――あとは緩やかに、吸い付ける俺の舌上へと生まれたばかりの精液を流しつづけるのだった。 口中に留めたそれを俺はじっくりと味わうように飲み下していく。 ほのかな塩味とそして舌先を痺れさせるような感触の精液は、今の状況とさらにはそれを放出する弟の愛らしさと相成って不思議なほど美味に感じられた。 「あ、ああぁ~……ッんぅ!」 そうしてバニラシェイクのストローでもすするかのよう、尿道に残った最後の一滴までその亀頭の先端に唇を吸いつけて飲み干すと――ようやく 俺から開放された弟は、先ほど以上に脱力した様子でその体を布団の上に投げ出すのであった。 そんな弟を見下ろしながら俺も、奴の直腸の中に収めていた指々を抜いていく。ぴっちりと広げられた肛門の淵を、引き抜く指々の節々がごつごつと なぞるたびに弟は弱く反応しながらくぐもった声を上げる。 やがてその指も抜き終え、弟はようやく俺の全てから開放された。 無き濡れて脱力仕切った感の瞳と、漏らした唾液の筋を口の端に残したそのだらしない表情――アナルに至ってはもはや、俺が苛め抜いたせいで 閉じきらなくなったその穴をぽっかりと開けて、充血した直腸内部の様子を俺の前へと晒すのであった。 「最高だ……最高に可愛いよ、お前」 そんな弟へ口付けすると、奴もまた忘我の中にありつつも弱く反応して舌先を絡めてくる。 射精直後の弟にとっては、このキスこそが『終わり』の行為に思えるのだろう。しかし俺にとってのそれは、ようやく宴の支度を整えたに過ぎなかった。 まだ終わらない。否、終わらせやしない。 そう――まさに狂楽の宴は、今から『始まる』のであった。 503 :弟のご主人さま・8:2008/12/16(火) 07 10 46 ID 0qiwFlfc 【 8-1 】 仰向けに寝そべる弟の両膝を立てさせ、目の前にその開ききったアナルを露とさせる。 「ん、んぅあ……まだ、触っちゃダメぇ……」 それに対して弱々しく反応してくる弟。しかし俺は自分の茎へ、先の弟の精液を塗り込むと着実にその準備を整えていく。 すっかりぬめりを帯び、赤く艶やかに反り返った陰茎を弟の前にかざすと、俺はその根元を押えながら亀頭それをアナルの前へ導く。 そしてその淵を塞ぐよう先端を宛がうと、 「始めるぞ……」 俺はゆっくりと、そこへの挿入を始めた。 「……ん? え、え? なぁに? なんなのぉ?」 徐々に肛門の淵が満たされそして拡げられていく感触に、弟も緩やかに覚醒を果たす。しかしその頃にはもう、反り返った亀頭のその背までが奴の アナルの中へ挿入されているのだった。 指々よりもさらに太い亀頭はその中頃まで侵入し、カリ首で止まってその動きを止めた。そうしてそれを見計らうよう弟も、まだ射精の余韻から 震える上体を起こして自分の身に起きていることを確認しようとする。 「何してるの、アニキぃ?」 「何って、本番だよ。セックスだ。さっき、この可愛い穴に入れてもいいって言ってくれたのはお前だろう?」 弟の問いかけに答えつつ、その途中までで留まっていた亀頭を僅かに侵入させていく。 「ん、んぅ! ッ……も、もうやるのぉ? まだちょっと……」 「『ちょっと』、なんだ?」 「う、うん……まだちょっと体が慣れてないっていうか、今ケツに触られると変な感じがする」 「痛むか?」 俺の問いにしばし弟は答えを詰まらせるが、 「……うんん、大丈夫。アニキのチンコの熱っついのが伝わってきて、ちょっと気持ちいいかも」 俺から視線を外しながら、どこかはにかんだ様子でそう答えるのであった。 そんな返事を聞いて俺も大きく頷く。 「じゃ、もう大丈夫だな」 「えッ? だからぁ、もうちょっとだけ待ってほしいの――」 戸惑うようどこかあわてた様子の弟の、どこか必死な感じがなんとも可愛く俺の眼には映る。 そんな弟の言葉に頷きつつも、俺は奴の腰を抱き上げる。 そうしてそのまま抱き上げ、俺の膝の上で立ち膝の状態に弟をさせると、俺達の顔はその額が触れ合うほどに近くなった。 弟にとって今の体勢は、抱き上げる俺の力を借りながら、俺の亀頭にアナルを引っかけた状態で保っているようなものだった。もし少しでも腰を 落とせば――はたまた俺が少しでも抱き上げる力を緩めれば、たちどころに俺の陰茎は弟のアナルを貫通することになる。 そんな危うい状態を弟も知るからこそ、 「アニキぃ、もうちょっと待ってよぉ。まだ俺、できないって」 俺の腕にしがみつきながら、緩徐に行為を進行してくれるよう哀願する。 しかし俺は、 「もうこれ以上じらされてはたまらん」 正直な胸の内を俺は弟へと伝えていた。 この瞬間に至るまで、今日はずいぶんと多くのことを俺達は体験してきた。 そのほとんどが二人にとっては初めてとなることばかり――この短時間の間にずいぶんと濃密な時を過ごしたものである。 そしてその集大成こそがまさに、今この瞬間であるのだ。 「お前も俺の弟なら覚悟を決めろ。――一気に行くぞ」 「わ、わわわッ、待ってよ。じゃあ、『いっせーの』でやってよ」 ゆっくりと俺の支える力が解かれ、徐々に亀頭がアナルへと沈んでいく感覚に弟もいよいよ以て焦りだす。 そして―― 「い、いい? いっせー……」 弟のカウントも待たずに次の瞬間―― 「んおッ!?」 俺の支えをなくした弟の腰元はストンを落ち――俺の茎は完全に、その全体を弟の直腸の中へ納めたのだった。 504 :弟のご主人さま・8:2008/12/16(火) 07 13 06 ID 0qiwFlfc 【 8-2 】 「ッッ……かッ、かはッッ……あ、おぉぉ……」 合図である『せー』の途中で落とされたことにより、まだ覚悟の整っていなかった体への直撃は普通に挿入される以上の衝撃を弟の中へ伝えたようで あった。その証拠に、これが始まる前はすっかり委縮していた茎も今の挿入と同時に、一気にまた元通りの屹立した状態へと戻されていた。 「温ったけぇ~……温かいなぁ、お前の中は」 膝の上で未だに息を殺している弟を、俺は呟くように語りかけながら抱きしめる。 直腸を通してくる熱とそして締め付け、それらにすぐ達しそうになる感覚をどうにか堪えようと、しばし弟を抱きしめた状態で俺はその感覚の波が 過ぎ去るのを待った。 やがてその中で、 「う、うぅ……ひどいよぉ、アニキぃ」 弟もまたようやく昂ぶらせていた感覚を落ち着かせたようである。 「ごめんな、我慢できなかった。痛かったか?」 「ちょっとだけ。でも……痛いのが、ちょっと気持ちいかも」 互いの額をすり合わせながら、弟はそんな告白をする。 「痛いのが好きなのか? そういや、さっき指を二本入れた時もすぐに慣れちまってたな」 「きっとさ、アニキだからだよ」 「俺? そういうことだ?」 「アニキがしてくれるから、気持ちいいんだ。フツーに気持ちいいことはもちろんだし、痛いのだってアニキがしてくれるから気持ち良くなれるんだと思う」 そんなことを告げて、甘えるように弟はぐりぐりと額を押し付けてくる。 「だから、急なのにはビックリするけど、もっともっと痛くしてくれても大丈夫だと思う。アニキが俺のこと…………愛してくれるなら」 消え入りそうに最後の言葉を結んで弟は微笑んで見せた。 その笑顔に、そんな弟と繋がる俺の茎は大きく跳ねあがる。 「う、うあ? 大きくなった?」 今の俺の胸中に満ちる悦び――。 それは単に肉体を通じる快楽的なものではない。何よりも『愛される』ということの悦びそれが、俺の胸を満たしていた。 恥ずかしながらこの歳まで『感動』とは無縁の人生であった。だからこそ、今の弟の告白は――そしてその想いは、何よりも俺に強い喜びとそして 感動を与えてくれた。 初めての、経験であった。 「…………」 「あ、アニキ?」 何も言わずに弟を抱きしめる。言葉が見つからない。 それでも今の悦びを、そして感動を伝えたくて俺は必死に言葉を探し、 「……ありがとう」 芸もひねりも無い、そんな一言を伝えた。 この日一番、感情を込めた一言であった。 先に述べた喜びと感謝、そして俺もまた『愛している』という思いの全てを込めて、俺はただ『ありがとう』と伝えた。 「俺こそ……俺こそ、ありがとう。アニキ」 抱きしめ返してくれる弟の小さな力が、俺の中に流れ込んで大きな力になる。 「……さて、湿っぽいのはここまで。一気に行くぞ?」 ここにきてようやく互いの想いが心を通じて繋がり合ったことに、なんだか嬉しいやら恥ずかしいやらで、俺はそれをごまかすよう弟に言ってみせる。 「あはは、変なの。アニキ、泣いてるよ?」 弟に指摘されるよう、吐き出すセリフとは裏腹に俺は涙を溢れさせていた。 しかしそれは、 「ばーか。お前こそ泣いてるくせに、生意気言うな」 弟もまた然りであった。 「涙って言うのはな、嬉しい時にだって出るんだよ。俺は今、お前とこうして一緒にいられることが嬉しいんだ。その涙なんだぞ? 文句あっか」 「ないよ。俺だってそうだもん。好きだよアニキ。文句あっか」 そうして互いに微笑み合う。 会話らしい会話を交わしたのはこれが最後であった。 505 :弟のご主人さま・8:2008/12/16(火) 07 15 10 ID 0qiwFlfc 【 8-3 】 やがて示し合わせたよう口づけを交わすと、俺はゆっくりと弟を抱える腰を動かしていく。 「ん、ん、んぅ……あぁッ」 やはりというか、若干サイズの合わぬ茎ではそれが抜かれるたびに大きく肛門の淵を引き延ばし、端整だった元の形を大きく歪めてしまう。その様からも、 そこにかかる負荷や痛みそれが半端ではないと俺も察する。 しかし、 「あ、あぁ……アニキ、アニキぃ。痛いよぉ、もっとぉ」 俺もそして弟も、それを止めることはできなかった。 もはや俺と弟は、肉体だけに留まらずその心まで通じて一心同体となっている。そんな互いの想いが交じり合った心は、弟が受け止めた俺からの痛みを 快楽に生成し、再びそれを俺の中へと還元してくるのだ。 それを受け取るたびに、俺の体は更なるその快楽をむさぼりたく、更なる痛みを弟へと与えてしまう。そして弟もまた、俺を通じて同じその快楽を感じ取り、 更なるそれを求めようと、俺へ『痛み』を求めてくるのだった。 生み出す痛みと受け入れる悦び、そしてその中に交差する互いの様々な想い――もはや単なる性交を超越した何かを、俺と弟はこの行為の中に見出していた。 「く、うッ……形を変えるぞ」 そう一方的に告げると返事も待たずに俺は、依然繋がったままの状態で弟の体を反転させる。 「え? え? ッ、うぁおお!」 その小さな直腸の中で、反り返った亀頭の先端が大きく腸壁をえぐって体位を変える。そうして新たに俺がとった体位は、後背位(バック)から攻める犬の ような姿勢であった。 「こ、これって、犬といっしょじゃん? 恥ずかしいよ」 両膝をつき、前に向かって手を突く四つん這いの姿勢に弟は羞恥心を露にする。しかしながらその姿勢とそして弟の反応に俺は再び火が付いてしまう。 その体勢からより強くそしてより深い挿入を与えようと、俺は両ひざの上に両手をつき、相撲取りが取る様なガニ股に四股を踏む姿勢をとった。 そしてそこから――さながら釣鐘を叩く撞木のよう腰をしならせ、より力の入った茎を打ち付ける。 「ひぐッ! あ、あぐぅぅッ!!」 俺の腰元と弟の殿部とがダイレクトに打ちつけられるたびに、場には手の平を打ち鳴らすかの如く軽快な音が響き渡る。そんな、今まで座位に繋がっていた 時とは比べ物にならない衝撃に、弟は見開く瞳の中の光を淡くさせる。 リズムに乗って、更なる速度を得てそれを打ち鳴らす俺の責めに、やがては上げていた顔を布団へこすりつけて弟は苦しみもだえる。 「あ、あおッ……おッ……く、苦しいよぉ。痛いぃ……あぁ、もっとしてぇ」 終始かような痛痒感に息を殺す弟であったが、次第にその感覚に体も慣れてくると――ついには打ち付ける俺の動きに合わせて自分からも、その尻根を突き だしてくるのであった。 そうして互いを打ち付ける行為はさらに激しさの度合いを増していく。 もはや腰の動きに残像が確認できるほどに速度を増したそこからは、今までの『手を打ち鳴らす』軽快な音から、『タイヤに拳でも打ちつける』かのような 鈍く乱暴な音が響きだしている。 「壊れるぅ……壊れるよぉッ。アニキぃ、壊してぇ!」 もはや言葉にならぬ叫(こえ)を発し、犬狼のよう頭を振り上げてそれを叫んだかと思った次の瞬間――一際強く打ち付けたその一撃に、弟は激しく放尿して 再び敷き布団の上へと崩れ落ちるのであった。 「ふぅー……」 それを仕切りに俺は俺はいったん動きを止める。 その下では両手を枕にして頭を伏せた弟が、何度もその小さな尻を痙攣させて悶える姿があった。 絶頂ではない。一時的に感覚が飛んだのだ。 もはや、俺も弟も限界が近かった。 それを悟り、 「元に戻るぞ。お前はそのまま寝てろ」 後ろから抱きしめるように弟を抱き上げると、再びその体を反転させて、最後は正常位へと体位を移行させた。 互いの情を幾度となく交らせた今日、それと数を同じくするかのよう幾度となく取ってきたこの体勢――弟を下にして、こうして見つめあえる体勢へと再び 俺達は戻っていた。 そうしてすっかり息を上がらせた弟を確認すると、俺はその疲れを労わるかのよう口付けた唇で弟の頬や首筋をついばんでいく。 506 :弟のご主人さま・8:2008/12/16(火) 07 17 04 ID 0qiwFlfc 【 8-4 】 「ん、ふッ……あぁ、もっと……アニキもっとぉ」 そんなキスが愛しいのか、はたまた愛に渇いた体に切ないのか、何度も俺を呼んではそれを求め、そして強く抱きしめてくるのだった。 やがては弟も同じように応え、俺達は互いの体を余るところなくついばんで愛撫していく。 そうしてようやく弟の体が落ち着くを取り戻した頃、 「最後は、こんなもの取っちゃえ」 俺は今の今まで、弟の身を包んでいたかっぽう着を脱がせた。 「『メイド』なんかじゃなくて、最後は『お前』として抱きたい。お前も、俺が『アニキ』だんなて忘れてくれよな」 そんな俺の言葉に、弟は言葉で応えるよりも先に――俺のその唇を奪っていた。 「嬉しいよぉ……アニキ、嬉しい」 そうしてその抱擁を続けたまま、ゆっくりと俺は最後になるであろうストロークを取り始めていた。 「ん、んぅ、あ……ッくぅ」 上から被さるよう、しっかりと抱きしめて与えられるその動きに弟も甘い声を上げる。 座位のような深くこねくるようなものでもなく、はたまた後背位のよう勢いに任せてえぐり突くものでもない。この正常位それこそは互いの表情を確認し合い、 そして互いの想いとを感じ取り逢える体位なのであった。 「アニキぃ……これ、気持ちいいよ。もっと、もっとしてぇ」 誰よりも相手を近くに感じ取れるその体位に、弟も強く俺を抱いてその想いを伝えた。 同じくに、 「これから、いくらでもしてやるさ。お前こそ、俺を放すなよ」 俺も強く抱き返す。 そうした心と体の一体感が再びシンクロした瞬間――俺達は互いの絶頂が近いこともまた共感した。 もはや俺達に、『兄弟』という垣根はすっかり無くなっていた。 互いをその名で呼び合い、ただ求めあう――誰よりも純粋に『愛すること』それを実行していく。 そして遂に、その時は来た。 ピタピタと一定の間隔を以て出し入れされる卑猥な水音が、より重みを増した濃厚なものへと変わる。射精と見まがわんばかりの腺液の放出が、より弟の直腸の 中で液体の撹拌を激しくさせているのだ。そしてそんな俺を上に、互いの腹の上で擦られる弟の茎からもまた、愛液のようトロトロとあふれた腺液が、抱き合う 俺達の体を熱くぬめらせるのであった。 「くぅ……イキそうだ。そろそろ、大丈夫か?」 「う、うんッ。俺もイキそう……早くイキたい。アニキと、一緒にイキたいよ!」 その弟の想いを確認して俺もラストスパートをかけた。 臼を突くよう、持ち上げた腰元を重く慎重に打ちつけていく。 そして幾度目かのストロークと―― 「アニキ……アニキぃ、好きだ。大好きだぁ」 「俺だってッ。お前のこと誰よりも――世界で一番愛してるからな!」 そして想いとが重なったその瞬間――ついに俺達は絶頂を迎えた。 互い溢れんばかりの精液の奔流を俺は弟の中に、そして弟は俺達の間へと迸らせ――内と外から、その互いの熱で俺達を融かし合いひとつに混ざらせ合うのだった。 二人の想いは今、ひとつに解け合い昇華していった――――。 こうして俺達の初めての夜は、幕を下ろす。 これから『ずっと』を共にしていく二人の、最初の一歩だった。 507 :弟のご主人さま・9:2008/12/16(火) 07 19 14 ID 0qiwFlfc 【 9-1 】 見上げる浴室の天井に、そこへ立ち込める湯気の中に俺は意識を漂わせていた――。 何かを考えることなど出来ないほどの疲労とそして幸福感に包まれて、俺はただその余韻に蕩けた意識を見上げる天井に投げかけるしかできなくなっていた。 場所は我が家の浴室――本日二度目の入浴となる今である。 湯船の左右両縁に両ひじを投げ出し、浴槽のなだらかな背もたれに体を預けたまま脱力する俺の両膝の間には――そんな自分と全く同じ姿勢でその両腕を俺の 膝頭に預け天井を仰ぐ弟の姿があった。 湯船のなか、徐々に体や心の中に凝り固まっていた緊張が溶け出していくと――俺はその幸福の忘我から覚醒を果たしながら、次第に自分の犯した過ちの 大きさを知り、深く後悔していくのであった。 行為前から俺は、自分を『まっとうな人間』だと意識してきた。『小児愛者ではない』、『至ってノーマルだ』と、誰に言うでもなく訴え続けていた。 しかしそれがどうだろう。 いざ事が始まってしまえば、俺は欲望の限りに弟を蹂躙した。凌辱し、責め嘖み――終いには幾度となく殺しかけさえしたのだ。 「ん……アニキ?」 目の前にいる弟を――その小さな背を無意識に俺は抱いた。 たまらなく切なくなった。 愛しいはずのコイツを――ただ情欲のはけ口としか見ることの出来なかった自分にはもう、弟を愛する資格などないのかもしれない――そんな自責の念に苛まれた。 そんな罪の自覚と己の愛を疑う思いが、死にたいほどに自分という人間の浅ましさを俺へ諭してくるのであった。 誰よりも弟を愛していることに気付いた今だからこそ、同時にそれを知ってしまうことが今の俺には何よりも辛く苦しいことであった。 それと同時に、何も知らぬ無垢な弟を汚してしまったという後悔もまた、俺の中には湧き上がる。 弟を愛しているという俺の気持ちに偽りはない。しかし、弟はどうなのだろうか。 確かにコイツも、俺に対して『愛情』を抱いてはくれているのだろうがしかし、それはけっして純粋なものではない。それは今日、俺が無理やりに犯してしまう ことで植え付けてしまった、偽りの想いであるのだ。 幼さゆえに弟はそれに気付けないだけ――この先コイツが大人になり、一人の人間としての自我を確立した時に今日のことを思い出して、どれだけ俺とそして 自分に嫌悪することだろう。――それを考えると、ただ俺の心はより重く沈んでいってしまうのだった。 そうしてその心に引きずられるよう、深く頭を下げていくそんな俺へと、 「アニキぃ、どうしたの? どっか痛いの?」 膝の中の弟は、項垂れる両頬へ手を添えて心配そうに俺の顔を覗き込んでくるのだった。 今のこんな俺よりも、よっぽども痛い思いをしたのはこの弟の方だ――それにも拘らず、優しいコイツは俺の体を案じてくれる。 その優しさを前に、 「……兄ちゃんさぁ、最低かもしれん」 そんな弟に、どこか俺も自嘲気に応えた。 「え、なんで?」 「実は俺、どうしようもない変態だったみたいだよ。その上、自分のことしか考えられない身勝手な奴だった」 「そうなの?」 「そう。――さっきだってそうさ。お前があんなに苦しがってたのに……俺はやめてやるどころか、最後まで虐め通して楽しんでたんだ。もしかしたら、あれで お前のこと怪我させるかもしれなかったっていうのに」 いざ口に出してそのことを確認すると、俺の心はさらに重く沈んだ。改めて自分の最低ぶりを思い知らされる。 「それだけじゃない。今日のこの……ックスだって、お前の心の傷になってるかも知れないんだ」 「心の、『傷』?」 「そうだ。お前が将来大人になって、ちゃんと女の子に恋が出来るようになった時――きっと今日俺とセックスしたことを、『男』とそれをしてしまったってことを 後悔する日が来ると思う」 「…………」 「その時お前がどれだけ嫌な思いをするか、どれだけ後悔をするか……それを考えるとな、兄ちゃんは申し訳なくて仕方がないんだ」 そしてそんな心の内を吐露した後はただただ、そんな自己嫌悪につぶされて項垂れるばかりだった。――が、 「…………、ん?」 突然のその感触に俺は我に返った。 そっと唇に触れる、温かく柔らかいその感触……瞬きを数度して見つめる眼の前には、瞳を閉じて俺に口づけをしてくれている弟の姿があった。 508 :弟のご主人さま・9:2008/12/16(火) 07 20 25 ID 0qiwFlfc 【 9-2 】 そうしてされた時と同じくらい静かに弟は離れると、 「へへへ……キス、しちゃった」 驚く俺にぺろりと舌先を出し、弟はどこかイタズラっぽく笑った。その仕草は、俺に叱られた時にコイツがよく見せる仕草そのものだった。 「アニキ、俺まだ子供だからさぁ、難しいことなんて何もわからないよ」 俺の胸板へ横顔をつけるよう抱きつきながら、弟は呟くように俺に言う。 「でもさ、俺はアニキに無理矢理されたんじゃなくて、ちゃんと自分で考えてセックスしたんだよ? もしそれで傷ついたって、それはアニキのせいじゃないよ」 「だ、だけどそれはな――」 「そこまで言うなら、責任とって」 言おうとする俺の言葉を強く遮り――弟は体を起こすと、まっすぐに俺を見つめた。 「後悔したり、傷ついたりなんかして『逃げない』で。――もし俺のことを本当に愛してくれているって言うのならさ、最後の最後まで俺の幸せのことを考えてよ」 見据えてくる弟は小さくほほ笑んだかと思うと、一雫――小さな涙をこぼした。 「もし将来、俺が今日のことを後悔して傷ついた時にはアニキのことを殴らせて。それでチャラにしてあげるからさ。だから、だから――」 「…………」 「いつまでも、俺のこと『愛してるよ』って言ってよ……アニキぃ」 ついには顔を歪めて泣き出す弟を前に、その純粋な愛と涙を前に――身勝手ながら俺は目覚めたような気がした。 心を覆っていた後悔はあきれるほどにすっかりと晴れ渡り、それらが去って空っぽとなった心には再び――目の前の弟を想う『愛』でたちどころに満たされていた。 その時になってようやく俺は気付く。 『傷つける』・『後悔させる』と、弟を気遣っていた考えすらもが、実は保身の為の『逃げ口上』でしかなかったことを。 今日のことに一人慄いてしまった俺は、奴との『その後』を考えることを放棄していたのだ。どこまでも、つくづく俺は自分勝手で救えない奴だった。 そしてそれに気付いたからこそ―― 「愛してる……あいしてるッ」 それに気付かせてくれたからこそ――俺は今再び、弟を強く抱きしめるのであった。 「いつまでも愛してる……放すもんか! もう絶対放さない!」 胸中に満ちていたものは改めて知った弟への愛と、そしてこの弟と歩んでいく未来への希望であった。 「ごめんなッ。俺また、お前のこと傷つけることろだった――もっともっと傷つけるところだった」 「アニキぃ……」 「もう逃げない。俺は、お前を愛してるっていう気持ちを誤魔化さない。誰になんと言われようと、お前と一緒に過ごしていくんだ」 改めて愛しき弟を見つめながら、俺は自分でも信じられないくらいに熱くなっていく。 そして、 「結婚しよう。俺が一生かけてお前を守っていくから。ずっと愛してるから」 そのことを告白する俺に、 「あ……アニキ。アニキ、アニキぃ……ッ」 弟は見開いた瞳を何度も瞬きさせてボロボロと涙をこぼした。 突拍子も無いことを言ったとは思っていない。 それは悩みに悩みぬいてたどり着いた答えであり、そしてこれからを共に生きていく俺達の、未来の姿でもあるのだから。 「アニキ、嬉しい……嬉しいよぉ、俺も嬉しい。好きだからね、大好きだからねッ」 抱きついて泣きじゃくるばかりの弟を俺も強く――強く抱きしめた。 将来のことなんて、一年先だってわかりはしない。 人も物もそして時代さえも、砂山が風にさらされるかのよう変化して消えて、そして新たに現れてはまた、残酷にも美しく俺達をとりまき世界を変化させていくのだろう。 しかしそれでも俺は、今のこの気持ちだけは変わらせないと心に誓うのであった。 この愛しき弟を守り、愛し続けるというその誓いを。 「愛してるよ」 そんな互いの想いを確かめ合うよう、俺達は誓いのテーゼを交わす。 小さな花嫁(おとうと)のご主人さまに――いま俺は、なれたのだった。 509 :弟のご主人さま・9:2008/12/16(火) 07 25 15 ID 0qiwFlfc 【 9-3 】 「――ん? んん? 何これ?」 俺とのキスを交わしていた弟は、突然にその下半身に触れた感触に眉をひそめる。 そうして見下ろす湯船の中、目を凝らすその腰の下には――完全に勃起して、その背に弟の尻を乗せた俺の陰茎(チンコ)の姿があった。 「すまんスマン。なんか改めてお前のこと愛してるなーって思ったら、ムラムラしてきてさ」 「ち、ちょっと待ってよアニキ。せっかくいい雰囲気だったのに……」 「うむ、しかしながら辛抱たまらん。――じゃ、そういうことで」 言いながら弟を抱きしめると、俺の人差し指は湯の中にある奴のアナルを探っていく。 「もー、最悪! 空気よめよー!」 「ははは、愛してる。愛してるって♪」 そうして第二ラウンドをその風呂場の浴槽で始めてしまう俺達。 いつまでも俺たち兄弟はきっと――こんな感じで過ごしていくのだ。 【 おしまい 】
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終焉の儀式場 赤属性 5(赤3) ネクサス Lv1(0)Lv2(2) Lv1・Lv2自分のスピリット/マジックによって相手のスピリット/アルティメットが破壊された時、破壊されたスピリット/アルティメットとそれに含まれるカード全てをこのネクサスの下に置く。 Lv2『このネクサスの破壊時』このネクサスの下のカードの数だけ、相手のリザーブ/トラッシュのコアをボイドに置く。 Lv2『自分のエンドステップ』このネクサスの下のカード4枚を破棄することで、手札から[転召]を持つスピリットカード1枚をコストを支払わずに召喚する。この効果で召喚したスピリットは次の相手のターン終了時まで、消滅以外でフィールドを離れない。 シンボル 赤 作者:白山羊 フレーバーテキスト 評価 名前 コメント
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ステータス ワールド ダークネスドラゴンW 属性 《儀式士》・《儀式》 能力 ■『設置』 ■【対】【起】〔同名ターン1〕 君の場のカード1枚以上をドロップに置く。その後、置いたカードのサイズ合計以下のカード1枚をデッキから〔コスト〕を払ってコールする。相手はこの効果に対して『対抗』できない。 フレーバーテキスト 魂を捧げ、さらなる力を冥府より呼び出す
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7月1日のゲーム(低難易度編) No PL PC 根源力 リザルト RPB 備考 01 きみこ マーナ・キミ 3800 1000 金貨100枚 02 GENZ ノーク・シュン 5000 1000 金貨100枚 03 Shunki ユーミ・ヒロック(本名:ヤーマキ・ユーミ) 4300 1000 金貨100枚 04 飛翔 フェイ・シャーン 3200 1000 金貨100枚 05 無量小路 (書記) 600 06 clover (書記) 600 戻る→参加者リスト